東北出身の人と話すと「芋煮」についての話をよく聞きます。
この芋煮、なんとなくイメージはあるのですが、ホントのところ何なのか?
由来や歴史、けんちん汁や豚汁との違い、芋煮会のやりかたについて超簡単にまとめました。
芋煮ってそもそも何なの?と思っているあなた。要チェックです。
目次
芋煮とは何か?芋煮会の由来や歴史は?
まず、「芋煮」というくらいですから、なんとなく想像はつくと思いますが、
「芋を煮ること!!(あとはオプション)」
に尽きます。
オプションの要素が地方によって、色々と異なるので、共通するところが、
「芋を煮ること」になるのです。
1.芋煮とは何の芋を煮るのか?
では、芋煮の主役!!何の芋を煮るかについてですが、
芋煮の地域を考えるのには山形を縦に3分割して考えると分かりやすいです。
芋煮というと「里芋!!」というイメージですが、里芋を使っているのは県北の最上地方と中央部の村山地方、置賜地方(おきたまちほう)、宮城になります。
山形県の南側の庄内地方では里芋の代わりにジャガイモを入れることもあります。
2.芋煮の味付けは?
味付けは山形の県北最上地方と中央部の村山地方、置賜地方(おきたま)はしょうゆ味です。
また、山形南側の庄内地方で作られる芋煮と宮城は味噌味です。
3.芋煮の肉は?
芋煮はイモが主役ですが、鍋ですから、肉もかかせません(≧◇≦)
ここも味付けと同じなのですが、北部と中央部で使用される芋煮の肉は牛肉、南側の庄内地方と宮城では豚肉を使用します。
4.そのほかの野菜・肉類
あとは、どの地方でもお鍋によく合うネギ、大根、ごぼう、きのこ、油揚げ、鶏肉を入れて煮込んだものになります。
芋煮の歴史・起源
芋煮の起源としては、当時、食べ物が豊富でなかった時の食文化から来ています。
どこもそうでしたが、江戸時代に、コメは年貢で取り立てられてしまっていました。
となると、山形や岩手の人は何を食べていたか???
もちろんアワやヒエも食べていたのですが、それだけではとても足りません。
そんな時、特に貴重なカロリー源として食べられていたのが里芋だったといわれています。
この、里芋の調理の仕方が、家庭内の鍋として煮て食べていたのです。
この時、この里芋を煮た汁の事を「芋の子汁」と読んでいて、当時はかなりのごちそうでした。
「これが、あれば後は漬物だけあれば十分!!」というようなものだったのです。
それが、なぜ「芋煮会」に発展したか???
里芋はとても貴重な食べ物でしたが、ジャガイモなどと比べると、日持ちがしないで腐ってしまいます。
となると、どうせ、腐ってしまうんだったら…
「みんなで鍋を囲んでワイワイと騒いで、全部食べてしまおう!!」
と稲刈りが一段落ついた10月~11月のちょっと肌寒くなってきたくらいに、
外で、大きな鍋を使って、ありったけの芋を煮て食べたら、チョー楽しかった!!
と、この習慣は「芋煮会」と言う名で、あっという間に広がり、東北地方のメジャーな郷土料理となったと言われています。
この習慣は今でもとても盛んで、この時期になると、最上川など大きな川の河川敷のあちこちで芋煮会が開催されています。
けんちん汁やトン汁と芋煮の違いは何か?
では芋煮をもっと分かりやすく、ほかのメジャーな食べ物と比較してみましょう!!
簡単に一言でいえば、
「芋が主役であること」になります。
【芋煮とけんちん汁の違い】
さて、けんちん汁はお醤油ベースのすまし汁ですが、もともと、由来として、はいくつかの説があります。
その中でも、有力な説として「建長寺」というお寺で作られた精進料理と言われています。
精進料理ですから、殺生は禁止です。
と言うわけで、けんちん汁には肉が入っていないのです。
芋煮はお醤油の澄まし汁のものも存在するので、
芋煮 - 肉類 = けんちん汁
という感じですね。
【芋煮と豚汁の違い】
続いて豚汁との違いについてですが、
芋煮は地域によって豚肉だけでなく、牛肉のものがありました。
さすがに、豚汁を牛肉で作ったら、豚汁ではなく、牛汁になってしまうので、
それはありえません^^;
というわけで、
芋煮 - 牛肉 = 豚汁
になります。
というわけで、芋煮はけんちん汁とトン汁のいいところをすべてかけ合わせた、
「最強の鍋料理!!」になります。
芋煮会のやりかたってどうやるの?
地方によって、いろんな芋煮がありましたが、この地域によってそれぞれできた2種類の味として楽しむ事ができます。
中に入れるものも、特に何を入れてはいけないというものもないです。
そのため、ざっくりと以下のものが準備できれば、だれでもできてしまいます。
・大きな鍋:大人数で食べられる鍋を用意しましょう。
鍋が2個用意できる場合は、片方を醤油味、もう片方を味噌味としてもいいですね。
・芋:里芋やジャガイモを用意しましょう。
最近はサトイモはすでにツルンとむかれたものもあります。
・牛肉や豚肉:肉は大事です!!
これが少ないとケンカします(*´з`)
・調味料:味噌、醤油、ダシの素、塩、めんつゆなんぞもあると楽です。
・ネギ、こんにゃく、油揚げ、ごぼう、大根などの野菜:ま、鍋なのであえて説明はいらないと思いますが、鍋にネギはよく合います。
・飲み物:ビールでも日本酒もよく合いまっせ!!
あとは火元ですね。
河原とかで、石をくみ上げてかまどをつくり、この上で煮炊きすることを、「直火」と言います。
山形では河川敷で直火をしてもオッケーなところありますが、最近は、直火が禁止されているところって結構多いのです(*´Д`)
なので、カセットコンロだったり、バーベキューのセットを持っていらっしゃる人であれば、炭火で焼く網に鍋を置いたり吊るしたりして、芋煮をしましょう。
バーベキューとかとセットでやっても面白いかもしれませんね!
焼くだけでなく、「煮る」という選択肢が増えるので、バリエーションが広がります。
芋煮・芋煮会についてのまとめ
如何でしたでしょうか?
芋を外で煮れば、あっという間に芋煮は出来上がりです。
今度はバーベキューの代わりに芋煮会を企画されても面白いのではないでしょうか?
特に、焼きにマンネリ化してきているのであれば、一風変わった楽しみ方ができると思います。
さらに本格的に、材料や場所を探して芋煮会をやりたい方は、以下の記事も参考にしてください。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。