秋の月と言えば、中秋の名月を思いつくと思いますが、この日ってなんで休みでないんでしょうね?
外国では休みの国もあるみたいですが…
お休みにして、中秋の名月をみんなで祝って行事にしてしまえば、経済効果もすごいのでしょうが…
現在の日本ではなかなか難しい理由についてまとめました。
中秋の名月を休みたかった方、要チェックです。
中秋の名月が休みの国はどこ?
いきなりですが、中秋の名月が休みの国って結構あるんです。
ベトナムや中国、韓国、台湾には中秋の名月の日はお休みです。
これらの国には聞いたことがあるかもしれませんが、旧正月も存在します。
何だっけ?普通の正月と何が違うの???
と思うかもしれませんが…
これらの国に共通するのは、カレンダーに太陰暦を採用している国なんです。
太陰暦(厳密には太陰太陽暦ですが)のカレンダーを使用している国の正月が旧正月です。
さて、太陰暦ではお月さんの満ち欠けを基準に一カ月を決めているんです。
たとえば、お月さんが出ていても見えない日の事を新月といいますよね!
だんだんとお月さんの形が出てきて、3日目になると三日月になり、15日に満月になりますよね。
逆にそこから、だんだんと欠けてきて、30日になるとまた全部見えなくなってしまいます。
で、また1日からまた繰り返されます。
この30日(厳密には29.5日ですが)を一カ月として、12カ月で1年というカレンダーの事を
太陰暦と言います。
0.5日分は日にちは半日で分けられないので、29.5日とはせずに、29日の月と30日を作りました。
29日の月を小の月、30日を大の月と呼んだりしています。
このカレンダー、現在日本では使われてませんが、結構便利なんですよ。
夜、お月さんが見えれば、何も持ってなくても、数えてなくても、その日がだいたい何日かわかるので…
太陰暦を採用している国は8月15日が中秋の名月でお休みなんです。
日本で中秋の名月が休みでない理由は?
では日本ではなぜ休みにならないのでしょう?
現在、日本のカレンダーはご存じの通り、太陽暦を使用しています。
太陽暦とは、地球が太陽の周りを一周回るまでの日にちが1年です。
太陽の周りを一周するのにかかる日数は約365日です。
そのため、ひと月は28日~31日の間ですが、12カ月分足すと合計が365日になるように、
ひと月にそれぞれ日にちを割り当てています。
となると、おなじみのカレンダー、太陽暦の一カ月はほとんどは30日か31日ですよね。
アレ…
太陰暦は29日か30日、
太陽暦は30日か31日(2月だけは28日ですが…)
毎月1日ずつ多いじゃん…となりますよね。
1日ずつ日にちがずれてきたらどうなります?
お月さんの満ち欠けも1日ずつずれてきてしまいますよね。
毎月、毎月、ズレは大きくなっていって、15カ月もすれば月が半周ズレますよね。
さて、祝日は殆どが毎年同じ日ですよね!!
元日は1月1日、建国記念日は2月11日、昭和の日は4月29日、憲法記念日は5月3日…
最近はハッピーマンデー制度もあるので、若干日にちはズレますが、
成人の日は1月の第二月曜日、海の日は7月の第三月曜日、敬老の日は7月の第三月曜日…
と日にちが一定ではなくても週のレベルでは毎年同じになります。
中秋の名月は太陰暦(旧暦)の8月15日ですから、これをそのまま太陽暦(新暦)の8月15日に持ってくると…
想像がついた方もいるかもしれませんが、月の状態が毎年ズレるのです。
となると、中秋の名月の休みなのに、月の事を考えると・・・
台無しですね・・・(*´Д`)
新月での中秋の名月もでてしまう・・・
では、逆にこの日だけは太陰暦の中秋の名月の日にち(8月15日)に合わせようとした場合・・・
太陽暦に当たる中秋の名月は
2017年・・・10月 4日
2016年・・・ 9月15日
2015年・・・ 9月27日
2014年・・・ 9月 8日
2013年・・・ 9月19日
っていつになるんじゃい???^^;
動きすぎーとなって、毎年いつになるんだか全く予定が立てられません。
となると、太陽暦に合わせても、太陰暦に合わせても、どっちもビミョーとなるわけです。
春分の日、秋分の日が休みの理由は?
でも、太陰暦の時に使っていた暦でも、逆に太陽暦で問題なく使えている休日があります。
それが、春分の日と秋分の日です。
太陰暦の説明を読んでいて、なんかしっくりと来なかったあなた…
そうです。太陽暦と太陰暦は1年の長さが異なるんです。
太陽暦はご存知の様に365日
太陰暦は29.5日 X 12カ月=354日!!
11日短いのです。それって、一年がズレる???
そうなんです。純粋な太陰暦はだんだんと日にちがズレていくので、季節感がだんだん変わってくるのです。
太陰暦でもそのようなカレンダーを使っている国もありますが…
でも、私たちの先祖はそれじゃぁ困るんですよ!!
農業の国なので…
種まきの日は毎年同じにまく必要があるのです。
田植えも毎年同じ時期にする必要があるのです。
稲刈りも毎年同じ時期にする必要があるのです。(くどい…^^;)
となると、季節を合わせることができる様に調整するもう一つの暦を持っていました。
それが、24節気というものなのです。
まず、1年を日が一番長い日(夏至)と日が短い日(冬至)で2分します。
さらに夏至と冬至の間をさらに春分の日と秋分の日で2分します。
さらにそれらの間を立春、立夏、立秋、立冬で4分割し、さらに間を3分割して24の期間に分けたのです。
この24の時期を使って、毎年同じタイミングで種まき、田植え、稲刈りができたのです。
めでたし、めでたし…^^;
さらに、カレンダーもこの24節気を使用して、毎年それほど時期がずれないように調整していたのです。
どうやって調整したかについては改めて説明しますね。
さて、ここで登場してくる春分の日と秋分の日は当時、神聖な日とされ、祭り事が行われていました。
今でもその名残りでこの2つの日は国民の休日となっています。
まとめ
というわけで、中秋の名月がなぜ国民の休日にならないのか?
なんとなくイメージはつかめたのではないかと思います。
惜しくも、休日にはなりませんでしたが、休日ではない分、気づかれにくいですから、
今年は気の合う人同士、こっそりお休みをとって、中秋の名月を楽しんでみては如何でしょうか^^;
最後までお読みいただき、ありがとうございました。